あなたは「ホンダ S800の新車価格っていくらだったんだろう」と気になったことはありませんか?結論、1966年の発売当時、S800の新車価格はオープンが65万8000円、クーペが69万4000円でした。この記事を読むことでS800の歴史や当時の価値、現在の中古車相場までわかるようになりますよ。ぜひ最後まで読んでください。
1.ホンダ S800とは?伝説のスポーツカーの基礎知識

ホンダ S800の開発背景と発売の経緯
ホンダ S800は、1966年1月に発売された小型スポーツカーです。
当時、二輪車メーカーとして世界的に成功していたホンダが、四輪車市場への本格参入を図る中で生まれた意欲作でした。
本田宗一郎氏が「世界に類のないものをつくろう」というスローガンのもと開発したこのモデルは、バイクで培った技術を惜しみなく投入した特別な存在だったのです。
東京モーターショーで発表されると、その革新的な技術と性能が大きな話題となりました。
S500・S600からS800への進化の歴史
ホンダのSシリーズは、1963年のS500から始まりました。
わずか1年後の1964年にはS600へと進化し、そして1966年にS800が登場するという、驚異的なスピードで開発が進められました。
S500は531ccで44馬力、S600は606ccで57馬力、そしてS800は791ccで70馬力へと着実にパワーアップしています。
毎年のように排気量とパワーを向上させながら、ホンダは本格的なスポーツカーへの道を歩んでいったのです。
S800では見分けやすいように、ボンネットにパワーバルジ(膨らみ)が追加されました。
ホンダ S800のボディタイプと基本スペック
S800には、オープンとクーペの2つのボディタイプが用意されました。
全長3,335mm×全幅1,400mm×全高1,215mmというコンパクトなサイズながら、本格的なスポーツカーとしての性能を持っていました。
車両重量はわずか755kgと軽量で、最高速度160km/h、0-400m加速は16.9秒という当時としては驚異的な性能を誇りました。
トランスミッションは4速マニュアルのみで、ブレーキは前後ともドラムブレーキが標準でしたが、フロントディスクブレーキがオプション設定されていました。
エスハチの愛称で親しまれた理由
S800は「エスハチ」という愛称で多くの人々に親しまれました。
ライバルのトヨタ スポーツ800が「ヨタハチ」と呼ばれたのに対抗する形で、この愛称が定着していったのです。
小型で軽快な走り、高回転まで回る気持ちの良いエンジン、そして手の届きやすい価格設定が、多くのスポーツカーファンの心を掴みました。
モータースポーツの入門車としても人気を博し、週末になるとサーキットで多くのエスハチが活躍する姿が見られたのです。
2.ホンダ S800の新車価格と当時の価値

1966年発売時の新車価格はいくらだったのか
1966年の発売当時、S800の新車価格はオープンが65万8000円、クーペが69万4000円でした。
最終モデルのS800M(1968年発売)になると、装備の充実により75万円まで価格が上昇しています。
この価格設定は、トヨタスポーツ800の59万5000円よりもやや高めでしたが、圧倒的なエンジン性能を考えれば納得の価格だったと言えます。
発売当初から人気が高く、多くの注文が殺到したと記録されています。
オープンとクーペの価格差と装備の違い
オープンとクーペの価格差は3万6000円でした。
クーペは固定式のルーフを持つシューティングブレイク風のデザインで、ヨーロッパ市場では特に人気が高かったモデルです。
オープンは幌を装備し、ホロを外せば開放感あふれるドライブが楽しめました。
ただし、1968年5月のS800M登場時には、国内向けはオープンのみとなり、クーペは廃止されています。
当時の物価から見たS800の価格価値
1966年当時の大卒初任給は約2万6000円程度でした。
S800のオープン65万8000円は、初任給の約25ヶ月分という計算になります。
2025年現在の大卒初任給を約23万円とすると、当時の65万8000円は現在の約575万円に相当する価値があったことになるのです。
決して安い買い物ではありませんでしたが、世界レベルの性能を持つスポーツカーとしては十分に価値のある価格設定だったと言えるでしょう。
ライバル車トヨタスポーツ800との価格比較
トヨタスポーツ800(ヨタハチ)の価格は59万5000円でした。
S800との価格差は6万3000円で、これは当時の大卒初任給の約2.4ヶ月分に相当します。
| 車種 | 価格 | エンジン出力 | 最高速度 |
|---|---|---|---|
| ホンダ S800 | 65万8000円 | 70馬力 | 160km/h |
| トヨタ スポーツ800 | 59万5000円 | 45馬力 | 155km/h |
価格差以上の性能差があり、純粋なパワー志向のユーザーはS800を選択する傾向がありました。
3.ホンダ S800のメカニズムと性能の魅力

791cc直列4気筒DOHCエンジンの特徴
S800のエンジンは、ボア60mm×ストローク70mmの791cc直列4気筒DOHCという当時としては先進的な設計でした。
最高出力70馬力/8000回転、最大トルク6.7kgm/6000回転を発生し、リッター当たり約90馬力という高出力を実現していました。
総アルミ合金製のブロックとヘッド、組立式クランクシャフト、ニードルローラーベアリングなど、二輪GPマシンで培われた技術が惜しみなく投入されています。
アクセルを踏み込むと8000回転から1万回転まであっという間に吹け上がる、バイクのような爽快なフィーリングが最大の魅力でした。
世界的に珍しいチェーンドライブ方式とは
初期のS800(1966年1月〜4月生産)は、世界でも類を見ないチェーンドライブ方式を採用していました。
デフから後輪への動力伝達に2本のローラーチェーンを使用する独立懸架で、二輪車メーカーならではの発想でした。
チェーンケース自体がトレーリングアームを兼ねるという省スペース設計で、軽量化にも貢献していたのです。
ただし、1966年4月以降はアメリカ市場の安全基準に対応するため、コンベンショナルなシャフトドライブ方式に変更されました。
最高速度160km/hを実現した高性能
車両重量わずか755kgに70馬力のエンジンを搭載したS800は、パワーウェイトレシオ10.8kg/馬力という優れた数値を誇りました。
最高速度160km/hは、当時の日本車としては本格的なスポーツカーの性能水準に到達していた証です。
0-400m加速16.9秒という記録も、排気量800ccクラスとしては驚異的な数値でした。
軽量なボディと高回転型エンジンの組み合わせが生み出す、ダイレクトで爽快な加速感が多くのドライバーを魅了したのです。
京浜製4連キャブレターの役割
S800には京浜精機製作所製の4連CVキャブレターが装備されていました。
各気筒ごとに独立したキャブレターを配置することで、高回転域での吸気効率を最大限に高めることができました。
可変ベンチュリー式(CV式)の採用により、幅広い回転域で安定した混合気を供給できたのです。
また、独立ブランチのエキゾーストマニホールドとの組み合わせで、美しい排気音とともに最高のエンジン性能を引き出していました。
4.ホンダ S800の現在の中古車相場と市場動向

2025年現在のS800中古車価格帯
現在、ホンダS800の中古車は580万円から780万円程度の価格帯で流通しています。
程度の良い個体や希少なチェーンドライブモデルになると、750万円を超える価格がつくこともあります。
発売当時の新車価格が65万8000円だったことを考えると、現在の価値は当時の約10倍以上に高騰していることがわかります。
ヒストリックカーブームの影響もあり、状態の良い個体は年々価格が上昇する傾向にあるのです。
初期型チェーン駆動モデルの希少価値
1966年1月から3月までのわずか3ヶ月間だけ生産された初期型チェーンドライブモデルは特に希少です。
生産台数が少ないため、市場に出回る機会も限られており、コレクターズアイテムとして高い評価を受けています。
チェーンドライブモデルは、ホンダが二輪車メーカーとしての技術を四輪に応用した象徴的な存在なのです。
程度の良いチェーンドライブモデルであれば、750万円以上の価格がつくことも珍しくありません。
程度による価格差と選び方のポイント
S800の中古車価格は、車両の程度によって大きく変動します。
レストア済みで内外装が綺麗な個体は高値で取引される一方、レストアベースの車両は比較的手頃な価格で入手できることもあります。
選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- エンジンのコンディション(オーバーホール歴の有無)
- ボディの錆や修復歴の状態
- 内装の程度(シート、ダッシュボードの状態)
- オリジナルパーツの保持状況
- 整備記録の有無
1960年代の車両のため、専門店での購入が安心です。
S800を購入する際の注意点とメンテナンス費用
S800は60年近く前の車両のため、現代の車とは全く異なるメンテナンスが必要です。
部品の入手が困難なものもあり、専門知識を持つショップとの付き合いが不可欠となります。
主なメンテナンス費用の目安は以下の通りです。
- エンジンオーバーホール: 80万円〜150万円
- ボディレストア: 200万円〜400万円
- 内装張替え: 50万円〜100万円
- 定期メンテナンス: 年間20万円〜40万円
旧車専門の整備工場やS800オーナーズクラブとの繋がりを持つことで、部品調達や整備のノウハウを得られます。
購入後の維持費も考慮した上で、長く大切に付き合える覚悟を持つことが重要です。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- ホンダS800は1966年1月に発売された小型スポーツカーで、二輪車技術を活かした革新的なモデルである
- 新車価格はオープンが65万8000円、クーペが69万4000円で、当時の大卒初任給の約25ヶ月分だった
- 現在の価値に換算すると約575万円相当で、決して安い買い物ではなかった
- 791cc直列4気筒DOHCエンジンは70馬力を発生し、最高速度160km/hを実現した
- 初期型のみ採用されたチェーンドライブ方式は世界的に珍しい機構だった
- 京浜製4連キャブレターと独立エキゾーストマニホールドが高性能を支えた
- 2025年現在の中古車相場は580万円から780万円程度である
- 初期型チェーンドライブモデルは特に希少で750万円以上の価値がある
- 購入後のメンテナンス費用は年間20万円から40万円程度が目安となる
- 専門店での購入とオーナーズクラブとの繋がりが長く付き合うために重要である
ホンダS800は、日本の自動車史に残る名車です。当時の価格は決して安くはありませんでしたが、その性能と技術は価格以上の価値がありました。現在でも多くのファンに愛され続けているこの伝説のスポーツカーを、ぜひ実際に見て、触れて、その魅力を感じてみてください。
関連サイト
本田技研工業株式会社


